大人になってからの学びが、
新しい道を切り拓く力に

  • 30代
  • エンジニア
  • 正社員
  • Before

    職業 広報事務

    役職 正社員

  • After

    職業 Webデザイナー+ショップ運営

    役職 正社員+起業(予定)

取材にご協力いただいた方 中川爽香さん

社内システム、社内ポータル構築の仕事を通じて、中川爽香さんが気づいたのが「使いやすさ」や「使い心地」の大切さでした。
サイトのデザインも同様です。使いやすく、使い心地のよいサイトを自らデザインしたいとWebデザイナーに転身。同時に中川さんが学んだのが、UI/UXデザインです。
もっとユーザーのことを知りたいと、今も研鑽を積みつつ、夫婦で起業するネットショップにも活かしたいと意欲を見せています。

社内ポータルの仕事で、〝使いやすさ〟〝使い心地〟の大切さに気づく

「Webの仕事をしていると、社内システムや社内ポータルの構築にも関わるようになりました。そこでは使う皆さんの『使いやすさ』や『使い心地』が大切になります。そんな経験があったため、後々、UI/UXデザインに関心を持つようになったんだと思います」

大学時代には映像制作を勉強。中川爽香さんは、社会人になってからも、グラフィックデザインやDTPを学ぶなど、映像系のデザインに関わってきました。

初めに就職した会社では、デザイナーではなくWeb開発全般の担当として、社内システムや社内ポータル構築などの仕事に就きました。そしてそこでは使いやすさや使い心地が、使う人にとって大きなウエイトを占めることに気がついたそうです。

その後、中川さんはいくつかの会社でWeb担当を務めますが、サイトのデザインも同様だと考えるようになります。作り手や運営側が言いたいことを言おうとするあまり、ユーザーの使いやすさや使い心地まで考えが及ばないサイトがけっこうあったのです。

「『アクセシビリティ(アクセスのしやすさ)を』というルールはあっても、たとえばフォームで何をどこまで入力すればいいのかわからなかったり……。ユーザーがどのように使っていくのか、そのストーリーが描けない、そんな例もありました。でも、そうは思っても自分でできることは限られていて、もどかしかったんです」

自分でWebのデザインをやりたい。でも「使いやすい」「使い心地のよい」サイトとはどういうものなのか?

中川さんが行き着いたのがUI/UXデザインでした。見た目に美しいことはもちろんですが、ユーザーにとって探したいものをすぐに見つけられたり、やりたいことがすぐにできる使いやすさを備え、それによって満足が得られる使い心地のよいデザインです。

ちょうどその頃見つけたのが、Udemyの奨学生募集のSNS公告でした。さっそく応募して、UI/UXデザインを本格的に学ぶことにしました。

UI/UXデザインや行動経済学も学んだけれど、原点回帰を決意

「受講したのはまず、UI/UXデザインの概要的な講座でした。行動経済学の入門講座も受講しました。自分がサイトで買い物をするとき、『このサイトにはこんな意図があったのか』『こうやって誘導されていたのか』ということがよく理解できました」

行動経済学は、感情などにも注目して、人の経済行動を心理的に掘り下げていく学問です。

中川さんは希望通り、転職を果たしWebデザイナーとして活動を始めることができました。

目指したのが、行動経済学という根拠を持って、「こうあればいい」と自分の意見が言えるWEBデザイナーです。ユーザーにとって、やりたいことが迷いなくできる「使いやすさ」と「心地よさ」、「美しさ」を兼ね備えたサイトを作るのです。

「ユーザーに面白い体験をしてもらうには、サイトの中の仕掛けも必要になります。それで次にJavaScriptも学ぶことにしました」

JavaScriptを使えば、サイトでアニメーションを動かせたり、ポップアップウィンドウを開かせたり、サイトに動きをつけることができます。

しかし、ここまで学んだ中川さんは、はたと立ち止まりました。確かに楽しいサイトは作れそうですが、自分がやりたかったこととは違うような気がしてきたからです。

中川さんが気づいたのが、自分が置かれた環境でした。

UI/UXを極めようとしているトップランナーのデザイナーたちは、確かにJavaScriptなどの言語に通じ、自在にサイトを作っていました。

しかし、多くは大勢の人が見ているサイトを作っており、ユーザーから直接、反応を知る機会や手段も数多く持っていました。

一方、中川さんの環境では、アクセス解析ツールなどから間接的にユーザーを知ることはできても、直接、会う機会はありません。

「ユーザーの方にとってサイトはどのように見えているのか、感じているのか。そこから勉強すべきだったのでは……」

見やすさ、使いやすさなど、むしろWebデザインの基本に立ち戻り、学び直す必要を感じたそうです。そしてもう一つ、中川さんが心がけるようにしたのが、極めて基本的なことでした。

「人の意見をちゃんと聞くことです。職場の方はもちろん、誰でもユーザーの方だと思って、しっかり話を聞こうとしています」

楽しさを知るだけでなく、自信も得ることができた大人の学び

学んだことで、中川さんはWebデザインのあり方をより深く考えるようになりました。もう一つ、学んだことで得られたことがあります。

「もともと勉強は嫌いでした。ちゃんと勉強したのは大学受験のときですが、ものすごく『つらい』記憶だけが残っています。でも、Udemyで勉強して、(勉強の)ハードルが下がったというか、抵抗がなくなりました。それどころか、『私って意外とできるんだ』って自分でもびっくりしてるんです」

学ぶ楽しさを知り、自信が得られたというのです。

中川さんが使っているのが「みんチャレ」というスマホアプリです。物事を三日坊主に終わらせず、続けられるようにするための「習慣化アプリ」です。

「トークルームみたいなところで、1日1回活動報告することになっています。それを何日かさぼると、強制退室させられてしまいます」

5人ひと組になり、自分が勉強している証拠写真をアップすると、仲間からコインとスタンプをもらえます。コインを貯めればスタンプが買えて、それでほかの人の応援もできます。

「Udemyを1分見るだけで、勉強したと報告ができます。私はお香が好きなので、それを1本焚いて燃え尽きる間だけでも受講しようと決めました。実際には1分では終わらず、何十分も見るのですが、それでみんなに褒めてもらって、『私すごい』『偉い』と思えるようになったんです」

どうしてもやりたくない日は無理をしてまでやらない。そして、やらなかったことで自分を責めない。それも続けるコツだそうです。

そうやって学び続けた今、中川さんは起業を計画しています。

「夫がいつか店を持ちたいと言っていたので、いつかじゃなくてすぐにやろうと言って、目下準備中です。初めは夫婦二人でネットショップから始めて、1年後には実店舗を持つことが目標です。今の仕事も続けて『複業』にしていくつもりです」

UI/UXを勉強してきたことが、今回の起業にも活きてきそうです。新しいビジネスを始めるのですから、起業についての勉強も始めました。いまは主に関連する書籍を購入して研究しています。

「受験勉強は正解が決まっていた勉強でしたが、大人の勉強って、自分が面白いと思うことを正解にしていいみたいなところがありますよね。今は本当に学ぶことが楽しいです」

自信に加え、張り合いも日々、強くなっているそうです。

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