動画制作の学び+会社員時代の経験で、
自らの価値がアップ

  • 30代
  • デジタルコンテンツ制作
  • フリーランス
  • Before

    職業 企画・開発

    役職 会社員

  • After

    職業 デジタルコンテンツ制作

    役職 フリーランス

取材にご協力いただいた方 竹原めぐみさん

もっとクリエイティブな仕事がしたい……。
趣味だった動画制作を本格的に学んで仕事にしたのが、竹原めぐみさんです。
動画制作のスキルに、かつての食品業界の経験をかけ合わせれば信頼につながり、ほかの高いスキルを持つ人と組むことでUdemy講座の制作も始めました。
一つのスキルを軸に、可能性はどんどん広がっています。

趣味だった動画制作で稼げると思い、学びをスタート

「あるクリエーターの方のブログを読んでいると、『After Effectsができれば稼げる』と書いてあったんです。『あ、そっか。これだ!』と思ったんですよね」

北海道札幌市で暮らす竹原めぐみさんは、以前はごく普通の会社員でした。

地元・北大に入学して大学院まで食品学を専攻。修了後は東京の食品メーカーに就職して、商品開発の仕事に携わっていました。

家庭の事情で札幌に戻ることになりましたが、思ったように職は見つかりません。お子さんがまだ小さかったこともあり、北海道大学でパートタイムの研究補助員として働き始めました。

「短時間の勤務だったのですが、仕事が終わると帰り際に子どもを迎えに行って、家に帰るのは6時ぐらい。あわただしくご飯を作って食べさせ、ぐずっているのをなだめてお風呂に入れてあとは寝るだけ……。そしてまた朝早く起きて保育園に連れて行って出勤……。結構、大変だったんですよね」

2020年、日本で新型コロナが問題になり、ますます働きづらくなると、竹原さんは、「このままでいいのだろうか……自分はもっとクリエイティブな仕事がしたかったはず……」と考え込んでしまったそうです。

食品会社で働いていた頃は、新しい商品のアイディア出しや、プレゼンなどがすごく楽しかったそうです。もともと人を喜ばせたり、驚かせたりすることが大好きでした。

竹原さんが札幌に戻り、忙しい日を送る中、合間を縫って楽しんでいたのが動画制作です。家族で外出したときなど、お子さんを撮影しては自ら編集していたそうです。趣味の一つでしたが、ひょっとしたら仕事になるかも……。そう思い立ち、あれこれ調べていると、あるクリエイターのブログを見つけました。

動画制作は仕事になる。中でもAfter Effectsを使えれば、稼ぐことができる……。

これこそ自分が待ち望んでいたことと確信した竹原さんは、すぐに行動に移しました。ハイスペックのパソコン買い込み、After Effectsを使うためにAdobeのCreative Cloudを購入したのです。

出費はかなりの額になったものの、仕事をして取り戻せばいいーー投資なんだと割り切り、Adobeのサイトでチュートリアルを見ながら独学で勉強を開始。ランサーズに登録して依頼が来るのを待ちました。

「でも、最初の依頼はアンケートに答えること。受け取ったのはわずか27円! これでは全然ダメ……」

仲間と励まし合いつつ学ぶうちに、仕事の依頼が入ってくるように

しかし、そこであきらめる竹原さんではありません。

同じような志を持つ仲間と交流できたら、モチベーションがアップするに違いない。そう考えて応募したのが、ランサーズの「新しい働き方LAB一期生」でした。

新しい働き方LABでは、個人が新しい働き方に挑戦してその模様を伝える役割が求められます。竹原さんは見事選ばれると、そこでの人との出会いによって、人生を好転させていきます。

「お約束になっていたのがTwitter(現X)での発信でした。その日に取り組んだことや勉強したことを報告し合うのですが、そうすることで仲間と一緒に取り組んでいる感覚が持てるようになりました」

ある人がUdemyで動画の講座を開くために、モニターを募集していることも、Twitterのコミュニティーで知りました。その講座では、無料でAfter Effectsが学べるというのです。

「それでやりとりしているうちに、その方は以前、私が読んだブログを書いた人だって気がつきました。私は、そのブログの言葉を信じてAfter Effectsをやり始めたんです。こんな出会いってあるの? そう驚くとともに、ものすごい縁を感じました」

竹原さんは寝る間も惜しんで勉強を始めました。昼は研究補助員として働き、お子さんの世話もしつつ、夜は動画制作の講座に打ち込みました。そのかいあって、動画制作の依頼が入ってくるようになったのです。

依頼は徐々に増え、2021年の夏、ついに動画制作の報酬がパートの研究補助員の収入を上回りました。竹原さんは独立を決心、フリーランスとしてやっていくことにしました。

「税務署へ行って開業届も出しました。石橋を叩かず走って渡りきる覚悟で、退路を断ってしまいました」と、竹原さんは、そのときの心境を語っています。

動画制作のスキルを軸にどんどん発展

現在、竹原さんは、企業のイベントや商品・サービスを紹介する動画制作を精力的にこなしています。意識しているのが、かつての食品業界での経験だそうです。

「前職の食品メーカーで取り組んでいた商品企画や開発、マーケティング、新規事業の立案などの仕事の経験が、(動画制作でも)信頼感につながっていると知りました。今はむしろそのことを積極的にお伝えするようにしています」

かつての経験を買われ、食品メーカーからはもちろん、包丁メーカーなど関連企業からも動画制作の依頼が舞い込みます。仕事によっては企画から立案することもあります。

動画制作のスキルとともに、もう一つの経験をかけ合わせれば、自分の価値が上がることに竹原さんは気づきました。そしてそれが「オンリーワンになる」ことであることも。

2022年春から、竹原さんはUdemyの講師も始めました。初めは、クリエイターとして独立するまでの自分の経験を講座にしましたが、今は、営業やマーケティング、プロダクトマネジメントなど、一つの分野で高いスキルを持つ人とのコラボレーションによる講座を作り続けています。

「高いスキルを持っている方はたくさんいますが、その知識をわかりやすく広めることもまた一つのスキルです。私は動画制作ができるので、高いスキルを持つ方たちの講座の動画制作を請け負うことにしました」

講師にとっては、動画制作は竹原さんに任せて、自分は自らが教える内容に集中できます。さらに、講座では竹原さんが質問するので、難しそうな講座も身近に感じられます。竹原さん自身、動画編集で何度も講師の話を聞くので、自然に内容が頭に入ります。講師、受講生、竹原さんの三方にメリットがあるというわけです。

最近、竹原さんが関心を持っているのが海外のクラウドソーシングです。円安のため、日本のクリエイターが海外のクライアントと仕事をすれば、より高い報酬が得られます。今は詳しい講師と一緒にUdemyの講座を制作していますが、いずれは海外を舞台に活動したいと言っています。

「学びは救いです。ニュースを見てもネットでバズっていることも暗いことばかり。でも、学べば自分の未来が開けると自信が出てきます」

「学ぶ」ことで竹原さんの仕事は一変しました。生活そのものもガラリと変わりました。

「ご飯をゆっくり作って、子どもとも会話ができて、イライラがなくなりました。もちろん〆切に追われて寝ないで仕事をするような厳しい面はありますが、やりたいことを思い切りしている満足感があります。こんな充実した働き方、生き方があるなんて、以前の私では想像すらできませんでしたが、本当にあるんですね」

誰にでも可能性はあります。あきらめないでほしいと、竹原さんは語っています。

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