学びに年齢は関係ない。何でも挑戦して、
自分の可能性を広げる

  • 50代
  • EC、Web制作、動画編集
  • 正社員
  • Before

    職業 エンジニア

    役職 会社員

  • After

    職業 EC、Web制作、動画編集

    役職 個人事業主

取材にご協力いただいた方 吉田博喜さん

若い頃から英語とスペイン語を学び、国際結婚の経験もある吉田博喜さん。
東日本大震災を契機に故郷の九州に戻り、個人事業として輸出業を開始しました。しかし、新型コロナの流行が大きな壁に……。
気を取り直して、好きだったプログラミングとイラストを学び始め、現在は、フリーランスとしてWebサイト制作や動画編集などの仕事を続けています。
「常に挑戦」と力強く語る吉田さんの、学びに対する意欲はどこから湧いてくるのでしょうか?

震災を契機に帰郷、個人事業として輸出業を開始

「東日本大震災が起きたときは、東京で会社員をしていました。ボランティアとして東北に通いながら、人生いつ何が起こるかわからないなぁと、考えさせられまして……。両親の住んでいる九州に戻ることにしたんです」

吉田博喜さんが九州に戻ってきたのは2011年、40代半ばのこと。もともとの出身は大分県の湯布院ですが、当時、ご両親が住んでいたのは北九州市の小倉でした。吉田さんもそこで再出発を図ることにしたのです。

若い頃から学ぶことは好きでした。東京でも働きながら、英語とスペイン語の勉強を続けていました。国際結婚の経験もあります。

小倉で再出発を図ったときも、初めはいろいろな仕事に就いたものの、やはり語学が活かせる輸出業が自分に合っていると思いました。

「国内は競争が激しいので、海外、特にアメリカやカナダへ、日本の製品を輸出することにしました」

書籍を買い込み、英語とスペイン語の勉強も再開しました。

事業は何もかも自分一人で行い、アメリカやカナダへも自ら出かけていきました。初めの頃は、売り上げが上がったり下がったりを繰り返しましたが、やがて上向きになり、ビジネスは軌道に乗るかに思えました。しかし、その頃迫ってきたのが、新型コロナの世界的な流行です。

海外への渡航が制限されるようになり、吉田さんは身動きが取れなくなってしまいます。

「まったく商売になりません。在庫があるのに、処分もできない。でも、そんなことに悩んでなんかいられない。この際、本当に自分がやりたいことをやろう。それで、学び直そうと考えたんです」

コロナで挫折しても、すぐにプログラミング、イラスト、動画編集を学び始めて

自分に何ができるだろう、何がしたいのだろう――自問自答を繰り返し、吉田さんが行き着いたのがプログラミングです。

「東京では機械や半導体を扱う会社で働いていました。自分が関わってきたのはもっぱらハードのほうで、ソフトではなかったのですが、ちょうどIoTが注目されていて、自分も(プログラミングを)勉強したいと思っていたんです」

機械や設備、家電などをインターネットに接続して情報を送受信する技術がIoTです。データを収集・分析したり、遠隔で操作したり、あらゆるモノを自在に制御できるようになります。

小倉で起業を考えていた吉田さんは、IoTに興味をもったことをきっかけに、Web制作を事業の一つにしようと、PHPやHTML、CSS、 Javascript、さらにAIとの相性がいいPythonを学ぶことにしました。

「初めは本を読んだり、YouTubeを見たり、Progateやドットインストールなど、プログラミング初心者の多くが利用する学習サービスも利用しました。でも、やっぱり本格的に学ぼうとするとUdemyが一番でした」

Udemyには、それぞれの言語について豊富な講座が揃っていました。英語での受講に抵抗のない吉田さんにとっては、世界中の講座から最適なものを選ぶことができました。

「お金を払うことも大事です。是が非でも元を取らなきゃと継続しますからね(笑)」

さらに吉田さんは、イラストを描くことと動画編集も学ぶことにしました。Webサイト制作に関わる以上、「クリエイターにならなければ」と考えたからです。特にイラストを描くことは、子どもの頃から好きで、この際、本格的に学ぼうと決めたのです。

具体的には、動画制作はAdobeのAfter effectを、動画編集はPremiere Proを、イラストの描画はIllustratorを用います。いずれもAdobeのアプリを使う契約を結べば、無料講座が提供されました。

「一業」では行き詰まる、やれることは何でも挑戦していく

現在、吉田さんは、小倉を拠点にフリーランスのクリエイターとして活動しています。Webサイトの制作、動画編集を仕事にしているほか、自分でインターネットを利用した物販も始めました。

「最初に就職した機械メーカーでは、『一業を極めよ』と言われました。が、結局、そこは倒産してしまいました。コロナ禍もそうでした。一つだけのところは難しい。次々と次の手を考えなければ。勉強も同じだと思います」

あらゆることを試しながら、自分の可能性を広げていきたいと吉田さんは言います。現在50代後半の吉田さん。同年代の友人や知人には、年齢的に「現在、何をしていいかわからない」と言う人もいるそうですが、吉田さんにとっては、あり得ないことです。

「同世代にはプロサッカー選手の三浦和良さんや元X JAPANのYOSHIKIさんがいます。二人とも現役で活躍されている。僕らだって頑張れる。今からです」

誰でも、何歳になっても挑戦はできます。そしてそのために学ぶことが欠かせないと吉田さんは言います。学ぶことで人との差がついていくとも。

「学び始めれば、自分が成長していることが実感できます。続けることは大変ですが、必ず面白いところがある。それを見つけるんです」

吉田さんは今も、早朝5時から深夜の11時まで、仕事の合間にずっと勉強している日もあります。

「Web制作にはやはり技術も知識も必要です。絶えず新しくもなります。まだまだがんばって学んで、いいものを作り、仕事を取っていかなければ」

イラストの描画や動画編集は、講座で教わった通りにやれば、課題をこなすことはできるようになりました。しかし、自分でゼロから作ろうとすると考え込んでしまいます。思い描く通りにイラストを描いたり、動画を編集したりできるようになることが、吉田さんにとって当面の課題です。

「それができるようになったら、YouTubeでリスキリングのチャンネルを作ろうかなと考えています。英語、スペイン語、旅行などを取り上げたいです。こう見えて僕は音楽もダンスも好きなんです。ラテン系なんですよ。海外にも出かけていって、自分が踊っているところもお見せしたいですね」

「まだまだ挑戦していかなければ」と、キラキラした眼差しで吉田さんは語っていました。

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